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不正な管理人のたとえ

ルカ16:1-13. 有名な放蕩息子のたとえ(あべこべ物語)に続く箇所. (1) 金持ちと家令と『告げ口をする者』が登場する.告げ口の内容は事実だったか? (6, 7) 『油百樽・麦百石』の負債.貨幣ではない. (6, 7) 負債の値引きは家令の権限で行えることだった…

ぶどう園の労働者のたとえ

イエスはぶどう園の労働者を題材に複数のたとえ話を作っている。ぶどう園における賃労働の実態についてよく観察しいろいろな角度から考えておられたのだろうか.

エチエンヌ・トロクメ『キリスト教の揺籃期―その誕生と成立』新教出版社 (1998)

パウロ,ペテロ,イエスの兄弟ヤコブ,ヨハネたちの死以後の信徒たちを高く評価している.

カルカルの戦い

なぜ聖書はカルカルの戦いのことを記していないのか? そのときエリヤ,エリシャはどうしていたのか? オムリとは何者か? イエフ革命とは何だったのか? 『オムリの家,サマリヤ』対『ダビデの家,エルサレム』 サマリヤ包囲戦の記憶は聖書に反映されている…

ヤロブアム2世時代の知識人層

アモス書やホセア書の解釈として,北王国のヤロブアム2世時代の繁栄における貧富の格差への批判を強調する見方がある. しかし,この政治的・経済的安定期に知識人層が育ったからこそ,そのような社会批判がなされたのではないか.そして彼らの思想が,その…

タマルとマリヤ

マルタとマリヤの間違いではない. 新約聖書で最初に名前が出てくる女性はタマル. タマルはカナン人か. ラハブ,ルツ,ウリヤの妻のエピソードにはタマルのエピソードに共通するものがある.マリヤもまた彼女たちの系譜の中に置かれている. タマル,ルツ…

Arthur Stanley Eddington と Georges-Henri Lemaître

Eddington はクエーカー,Lemaître はカトリック. Eddington はイギリス人,Lemaître はベルギー人. 第一次世界大戦において,Eddington は良心的兵役拒否者,Lemaître は志願して陸軍に従軍. Lemaître は1920年,Charles Jean de la Vallée-Poussin (18…

安息日

旧約聖書には実際の生活における安息日の記述が少ない. アモス8:5,ホセア2:11,イザヤ1:13の安息日は,新月祭と並べて言及され,否定的ニュアンスがある.ミカ書には安息日の記述がない. 列王下4:23でも新月祭と並べて言及されている.預言者のところに行…

偶像礼拝

偶像礼拝禁止の戒めの成立には,捕囚のときに持って行けなかったことが影響しているのではないか.

桑田秀延『神学とともに五十年(桑田秀延全集5)』キリスト新聞社 (1974)

植村 正久 (1858--1925) 内村 鑑三 (1861--1930) Martin Dibelius (1883--1947) 富田 満 (1883--1961) Rudolf Karl Bultmann (1884--1976) 高倉 徳太郎 (1885--1934) 渡辺 善太 (1885--1978) Karl Barth (1886--1968) 森 明 (1888--1925) 賀川豊彦 (1888--19…

田川建三氏について

『マルコ伝のイエス』以外の一切を批判的に見るという姿勢は一貫している. ブルトマンの仕事をまじめに不器用に受けとめると,ある種の極端さに行き着くということだろうか.

バアルとナルメル王

バアルとナルメル王はポーズが似ている。バアルの竜退治は、ナルメル王の上下エジプト統一がモチーフなのではないか。

ソロモンとハトシェプスト

ソロモン王のやったエツヨン・ゲベル港からの貿易や神殿建築は,ハトシェプスト女王のやったことに似ている.王妃であるファラオの娘に聞いたのだろうか.ファラオの娘に御殿を建てて上げたのはそのお礼だったとか. 博士がイエスに贈った黄金・乳香・没薬は…

クレイギー『ウガリトと旧約聖書』教文館 (1990)

asin:9784764280342 ウガリット楔形文字の解読に貢献した Hans Bauer(ドイツ)と Édouard Dhorme(フランス)はいずれも第一次大戦中,暗号解読の仕事に携わっていた. アモスの社会的背景,デボラの賛歌の一節の解釈,バビロンの王に対するイザヤの言葉に…

オムリ王朝とアルファベット

オムリ王朝がフェニキアと結んでシリア・パレスチナ連合によるアッシリアとエジプトに対する自主独立路線を選択した背景には,アルファベットというテクノロジーが使える段階に達したことがあるのではないか.

ネフィリム

発掘された骨から見て,農耕がはじまった結果,人口は増えたものの一人一人の栄養状態は悪化し,平均して体が小さくなったらしい.ネフィリムのような巨人族の伝説は,農耕民から見た狩猟民の骨のイメージに由来するものか.

シャッダイ

創世記における『シャッダイ』は子孫繁栄の神. ルツ記のナオミの嘆きにおける神名が『シャッダイ』であることの意味は何か.子孫繁栄の神が,女にとっては苦しみを与える神でもあるということか. ヨブ記に『シャッダイ』が頻出することは,イスラエル以外…

観世能楽堂

ゴスペル・イン・文楽『イエス・キリストの生涯』と能『聖パウロの回心』. 最初は今回の能の台本を書いた林望さんと,朝日新聞の記者の方との対談.林さんのお話が上手だった.講演もきっとおもしろいのだろう. 次に文楽の前の高原剛一郎さんの口上.すば…

マタイ2章

ヘロデがベツレヘム地方の男の子を殺させる話と似た話が列王記上11章14〜22節にある. そこではダビデとヨアブがエドムの男子を殺させる.エドム人の少年ハダドはエジプトに逃れ,ダビデとヨアブの死後,イスラエルに反旗を翻す. なおヘロデはエドム人であ…

ツロ・フェニキアの女

マタイ15章,マルコ7章に『ツロ・フェニキアの女』が『落ちたものを食べる犬』のたとえでイエスを感心させた話があるが,あれは列王記にあるイゼベルの物語を踏まえているのではないか. イゼベルはツロ・フェニキアの王女で北王国イスラエルのアハブ王の王…

アシェラとは何か

旧約聖書に出てくるアシェラは,神を礼拝する際,木の柱を地面に立てたものだと推測されている.アシェラはもともとウガリット神話にある神々の王エルの配偶神の名であった.それが後に,ヤハウェ/バアルという嵐と雷の神の配偶神へと地位が変わった.なぜ…

ジャンセン『ヨブ記』日本基督教団出版局 (1989)

isbn:9784818400207 並木浩一氏は『自分とは感覚が違うので有益』と書いている.

エレミヤ書1章

預言者エレミヤの召命.「まだ若者ですし,ウケること言えませんし」とドン引きするエレミヤだったが,「アーモンド(シャーケード)」「見張る(ショーケード)」の語呂合わせ(親父ギャク?)で迫る神様にとうとう観念する.

荒野の誘惑とバラム物語

福音書記者がイエスの公生涯以前の断片的伝承を物語に編集する際、自分の想像力のみによるのでなく、旧約聖書を踏まえたと考えるのはさはど奇抜なことではあるまい。 マタイ伝・ルカ伝の荒野の誘惑の説話の原型は、民数記のバラクとバラムの物語。 悪魔がバ…

東方の博士とヨブの友人

東方の博士たちの謎. 博士たちとは誰か? 三つの贈物の意味は? なぜヘロデを訪ねたのか? 福音書記者が公生涯以前のイエスについての断片的伝承から物語を編んだとき,自分の想像力のみに頼るのではなく,旧約聖書の物語のモチーフを下敷きにしたと推定す…

妙高高原教会

CSでお話

マタイ12:33−37.

詩篇第130篇

今日の礼拝説教の箇所.

「メネ メネ テケル ウ パルシン」

ダニエル書にある,いきなり空中に指がでてきて壁に書いたことば.「メネ」は「数える」,「テケル」は「測る」,「ウ」は「そして」,「パルシン」は「分ける」の意.数学的だ.

マタイとルカ

聖ルカ病院はあるが,聖マタイ税理士事務所というのは聞かない.