タマルとマリヤ
- マルタとマリヤの間違いではない.
- 新約聖書で最初に名前が出てくる女性はタマル.
- タマルはカナン人か.
- ラハブ,ルツ,ウリヤの妻のエピソードにはタマルのエピソードに共通するものがある.マリヤもまた彼女たちの系譜の中に置かれている.
- タマル,ルツ,ウリヤの妻はいずれも再婚.
- ラハブは娼婦.
- タマルはダビデの娘・アブサロムの姉妹の名でもある.マタイはひそかにダビデ王朝のダークサイドへ読者を誘導する.
- アブサロムの娘にもタマルという名の人がいる.アブサロムの息子については,いた/いなかったという2つの記事がサムエル記下にある.
- タマルの子ペレツとゼラはヤコブとエサウに対応する.エサウの子孫にもゼラという人がいる。
- マリヤの夫ヨセフは夢を見てその意味を理解することができる.エジプトに移り住む.父の名はヤコブ.
- マタイは滅んだ周辺諸民族への関心を有している.第一次ユダヤ戦争を経験したからか.北王国(ヨセフ),エドム(ゼラ,ヘロデ,博士たち,幼児虐殺からエジプト逃亡),モアブ(ルツ).エリコ(ラハブ)やヘテ(=ヒッタイト,ウリヤ)は旧約聖書に書かれた時代よりはるか昔に滅びていたようだ.
- タマルは『なつめやし』という意味.なつめやしは多くの水を必要とする植物.なつめやしが生えている場所には豊富な水源がある.
- フェニキアもギリシャ語で『なつめやし』という意味.
- 系図からはイゼベルの血を引く王の名が数代削除されている.
- 本来イスラエル(エフライム)とユダは別の集団だった.古い時代のものと思われるデボラの歌にはユダ族が出て来ない.タマルのエピソードにもユダが兄弟たちと離れて暮らしていたという設定である.
- ユダをエフライムの後継者として認知する,というのがヨセフがイエスを子として認知する苦悩によって表現されているのではないか.