カノニカル分布
- 状態の集合を I とし,状態 の確率を とする.
- 状態 i を特定するのに必要な Yes/No で答える質問の回数は,
- 分布 に対して,状態を特定するのに必要な質問の回数の平均は,
- に対し,
を エントロピー という.以下, とする.
- とおくと,
- 熱力学第2法則 分布が時間とともに変化するとき,エントロピーは増大する.
- 状態 i のエネルギーを とする.
- 確率の保存とエネルギー保存則
をみたしながら分布が時間とともに変化するとき,エントロピーは増大し, で収束する.
- 確率の保存とエネルギー保存則
の下でエントロピーを最大にする分布を カノニカル分布 という.
- Lagrange の未定乗数法を用いる.
とおき,
を課すと,
- とおくと,
- Z を 分配関数 という.
- 分配関数 Z で表すと,エントロピー S と全エネルギー U は,
- を 温度 といい,
を 自由エネルギー という.
- 温度はエネルギー保存則に対する Lagrange 乗数の逆数であり,自由エネルギー/温度は本質的に確率の保存に対する Lagrange 乗数である.