ヒルベルト『幾何学基礎論』ちくま学芸文庫 (2005)

幾何学基礎論 (ちくま学芸文庫)

結合の公理
(I.1) 相異なる2点 A, B に対し,A, B を結ぶ直線が存在する.
(Def) 直線 l が相異なる2点 A, B を結ぶとき,「l が A を含む」「l が B を含む」という.
(I.2) 相異なる2点 A, B に対し,A, B を含む直線はたかだか一つである.
(I.3a) 直線は2点を含む.
(I.3b) 1直線に含まれない3点が存在する.
(I.4a) 1直線に含まれない3点 A, B, C に対し,A, B, C を結ぶ平面が存在する.
(Def) 平面 π が相異なる3点 A, B, C を結ぶとき,「π が A を含む」などという.
(I.4b) 平面上に点が存在する.
(I.5) 1直線に含まれない3点 A, B, C に対し,A, B, C を含む平面はたかだか一つである.
(I.6) 平面 π に含まれる相異なる2点 A, B を結ぶ直線に含まれる点は,平面 π に含まれる.
(I.7) 平面 π , π' に含まれる点が存在するとき, π , π' に含まれる点がもう一つ存在する.
(I.8) 1平面に含まれない4点が存在する.

順序の公理
(II.1a) 点 A が2点 B, C の間にあるならば,A, B, C は1直線に含まれる相異なる3点である.
(II.1b) 点 A が2点 B, C の間にあるならば,A は C, B の間にある.
(II.2) 相異なる2点 A, B に対し,A, B を結ぶ直線に含まれる点 C が存在し,B は A, C の間にある.
(II.3) 点 A が2点 B, C の間にあるならば,B は C, A の間にない.
(II.4) (Pasch の公理)1直線上にない3点 A, B, C とこれらを含まない直線 l に対し,l が A, B の間にある点を含むならば,l は B, C の間にある点を含むか,l は C, A の間にある点を含む.

  • 「平面は1直線上にない3点を含む」は定理.