松田 卓也『間違いだらけの物理学』学研 (2014)

間違いだらけの物理学 (学研科学選書)

  • 電池のエネルギーはどこを通って電球に達するのか?という話がおもしろかった.Poynting ベクトルは重要だ.
  • 潮汐力について.
    • 地球静止系で考えればよく,月の公転とともに回転する座標系は要らない.
    • 月による重力は,(1) 月の中心に向かい,(2) 月に近いほど強い.
    • したがって海面は,(2) より地球の中心と月の中心を結ぶ方向に伸び,(1) よりこれと垂直な方向に縮む.
  • 飛行機はなぜ飛ぶか?
    • まだわかっていない,というのは都市伝説.
    • 翼のまわりの速度ベクトル場の循環があると,Bernoulli の定理によって揚力が生じる.問題は,翼のまわりの循環がどうやって生じるか.
    • 仰角をつけると,翼の後端が尖っていることにより,後方に出発渦ができ,それとともに翼端渦,翼のまわりの循環が生じる.
    • 仰角をつけると空気の合流点(よどみ点)が翼上面後方にできるが,翼の後端が尖っていることにより,よどみ点が翼の後端に移動するように,翼のまわりの循環が生じる.