計算化学

場と粒子,粒子の生成消滅と量子場.電子のスピン.量子力学における測定値の離散性とランダム性.状態の重ね合わせ.上向きスピン状態と下向きスピン状態の1次結合.

  • 電子や原子核の法則である量子力学では,測定値は離散的かつランダムである.測定値の期待値が連続的な値になってマクロの物体の場合に予想される値に一致する.
  • このことを「状態の重ね合わせ」という考え方で理解する.
  • 数学的に定式化すると「状態の重ね合わせ」はベクトルの1次結合として表される.
  • 状態はベクトル,状態の変化はベクトルにかかる行列で表される.
  • 電子の状態は,上向きスピン状態と下向きスピン状態の1次結合で表される.
  • 電子の状態が1回転して元にもどると,電子の磁気モーメントは2回転する.
  • 古代においては生成消滅説とアトム説は対立する仮説だったが,現代物理学ではアトムに相当する素粒子が生成消滅すると考える.
  • 場は時刻と位置の関数である.たとえば電場 E = (E1, E2, E3) は,時刻 t のとき位置 x にある電荷 q に,力 q E(x, t) を及ぼすものである.
  • 電場はベクトルに値をとる時刻と位置の関数である.
  • 量子場は,時刻 t のとき位置 x に粒子を生成消滅させるものである.
  • 系の状態をベクトルで表すと,量子場が時刻 t のとき位置 x に粒子を生成消滅させることによる状態の変化が,ベクトルにかかる行列で表される.
  • 量子場は行列に値をとる時刻と位置の関数である.
  • 今回CERNでおこなわれた実験で確認されたのは,ヒッグズ場という量子場によって生成されたヒッグズ粒子の存在.
  • 電磁気と弱い核力・強い核力は同じ原理に基づいているが,前者は宇宙の果てまで届き,後者は原子核の中ではたらくという非常に大きな違いがある.その違いをもたらすのはヒッグズ場との相互作用の違いである.
  • 電子とニュートリノ電荷以外はよく似ているが,前者は質量があり,後者は質量がほとんど0である.その違いをもたらすのもヒッグズ場との相互作用の違いである.