「科学」7月号
西尾成子「電子の発見と光電効果」がおもしろかった.
Moore の Felix Klein Lectures 講義録に,
When Felix Klein came to study here at the University of Bonn in 1865 he wanted to become a physicist! In those days there was a single chair of Mathematics and Experimental Physics, and the occupant, Julius Plücker, was interested in geometry, not physics. So Felix Klein became a geometer instead.
http://www.physics.rutgers.edu/~gmoore/FelixKleinLectureNotes.pdf
とあるが,西尾氏の文章には,
ファラデーの崇拝者で幾何学者としても知られるプリュッカー( J. Plücker, 1801〜68)は,1858 年,放電管内の気圧を下げるとファラデー暗部が広がり,陰極に近いガラス管が緑色の蛍光を発すること,蛍光を発する場所が磁石によって移動することを見出した.
(中略)
プリュッカーの弟子ヒットルフ( J. W. Hittorf, 1824〜1914)は,1869 年,陰極と蛍光を発する壁とのあいだにいろいろの形の固体を置くと,その物体の鋭い影が壁に映ることを見出し,陰極から一種の放射線が出て直進し,それらがガラスに当たると蛍光を発するのだろうと推測した.
とあって,プリュッカーは電子の発見に重要な貢献をしている.