Cartan subalgebra の存在 - yoshitake-hのブログ

有限次元リー代数 $\mathfrak{g}$ の元 $x$ に対し，
$\det (\lambda -\mathrm{ad}(x) ) =\sum_{n\ge 0}a_n(x)\lambda^n$
とおき， $a_n\ne 0$ である最小の $n$ を $\mathfrak{g}$ のランクという．
ランク $n$ に対し， $a_n(x)\ne 0$ である $x$ を正則元という．
正則元 $x$ に対し， $\mathrm{ad}(x)^ky=0$ となる自然数 $k$ が存在するような $y$ の全体 $\mathfrak{g}[x,\,0]$ はカルタン部分代数である．（係数体は無限体であるとする．）
証明
$\mathfrak{g}[x,\,0]$ は部分リー代数である．
$y\in \mathfrak{g}[x,\,0]$ で $\mathrm{ad}(y): \mathfrak{g}/\mathfrak{g}[x,\,0] \to \mathfrak{g}/\mathfrak{g}[x,\,0]$ が同型であるもの全体 $U$ は $\mathfrak{g}[x,\,0]$ のザリスキー開集合． $x$ を含むので空でない．
よって $U$ の元からなる $\mathfrak{g}[x,\,0]$ の基底が存在する．
$n=\dim \mathfrak{g}[x,\,0]$ はランクなので， $y\in U$ に対し $\mathrm{ad}(y)|\mathfrak{g}(x,\,0)$ はべき零．
よって $\mathfrak{g}[x,\,0]$ はべき零．//