2, 3, 4次方程式の解法
ポイントは,根の張るベクトル空間を,根の置換群の可換正規部分群の既約表現に分解すること.
Schur の補題より既約表現は 1 次元なので,何乗かのテンソル積が自明な表現になる.
次方程式の 根を とし, とおく.
根の置換群 は可換.その既約表現に を分解すると,
を求めればよい.
は の対称式なので方程式の係数の多項式で書ける.
平方根をとって を得る.
根の置換群 の可換正規部分群として をとる.
exact.
の既約表現に を分解すると,
を求めればよい.
は 不変.
よって の対称式は の対称式.
よって 2 次方程式を解いて を得,立方根をとって を得る.
ただし, が の対称式であることに注意.
根の置換群 の可換正規部分群として,
をとる.
exact.
の既約表現に を分解すると,
を求めればよい.
は 不変.
よって の対称式は の対称式.
よって 3 次方程式を解いて を得,平方根をとって を得る.
ただし, が の対称式であることに注意.