自然と数理

電磁気

  • 密度 1 g/cm 3 の世界.原子から惑星・太陽までのスケールの現象において,もっとも支配的なのは電磁気である.
  • 電池と電球を導線でつなぐ.エネルギーはどこを流れるか.導線の中ではない.
  • 電界,磁界,エネルギーの流れ.
    • 電界は荷電粒子に対して力を及ぼす.
      電界の方向に荷電粒子が動くとき,電界と荷電粒子の間に,電界の強さに比例するエネルギーの授受がある.
    • 磁界は動く荷電粒子を曲げる.磁界の向き・荷電粒子の速度の向きと垂直の向きの力を及ぼす.
      磁界と荷電粒子の間にエネルギーの授受はない.
    • 電界・磁界に垂直な向きにエネルギーが流れる.これが基本原理である.
  • Ampère の法則.
    • 電流と同じ方向の電界があるとすると,電界と荷電粒子の間に,電界の強さに比例するエネルギーの授受がある.
      このエネルギーはどこを通ったか.
    • 電流を軸とする円柱を考える.円柱の両端の面は電界に垂直なので,エネルギーは円柱の側面を通るしかない.
      側面上では電界が軸に平行なので,側面を横切るエネルギーの流れがあるということは,側面の回転方向に磁界があることになる.
      この磁界は電界が0でも存在する.
  • 電池と電球を導線でつなぐ場合,プラス側の導線の方からマイナス側の導線の方に向かう電界と,導線のまわりを回る方向の磁界がある.
    よって,空間を通って,電池側から電球側へエネルギーの流れがある.
  • Maxwell の変位電流.
    • 電界の方向を軸とする円柱を考える.電界の大きさが時間的に変化するとき,円柱内の電界のエネルギーが変化する.
      このエネルギーはどこを通ったか.
    • 円柱の両端の面は電界に垂直なので,エネルギーは円柱の側面を通るしかない.
      側面上では電界が軸に平行なので,側面を横切るエネルギーの流れがあるということは,側面の回転方向に磁界があることになる.
      この磁界は電界が0である瞬間にも存在する.
  • Faraday の電磁誘導.
    • 磁界の方向を軸とする円柱を考える.磁界の大きさが時間的に変化するとき,円柱内の磁界のエネルギーが変化する.
      このエネルギーはどこを通ったか.
    • 円柱の両端の面は磁界に垂直なので,エネルギーは円柱の側面を通るしかない.
      側面上では磁界が軸に平行なので,側面を横切るエネルギーの流れがあるということは,側面の回転方向に電界があることになる.
      この電界は磁界が0である瞬間にも存在する.
  • 上の議論をより定量的におこなうには,空間ベクトルの内積外積という演算が必要である.
  • 電界と磁界の外積Poynting ベクトル という.これは単位時間に単位面積を横切るエネルギーである.
  • 上の法則のほかに,電荷の保存,磁束の保存という法則がある.