世界を読み解くリテラシーゼミナール

ヒルベルト幾何学基礎論』を読む.
幾何学基礎論 (ちくま学芸文庫)
http://d.hatena.ne.jp/yoshitake-h/20131120

結合の公理
(I.1) 相異なる2点 A, B に対し,A, B を含む直線が存在する.
(I.2) 相異なる2点 A, B に対し,A, B を含む直線はたかだか一つである.
(I.3a) 直線は2点を含む.
(I.3b) 1直線に含まれない3点が存在する.
(I.4a) 1直線に含まれない3点 A, B, C に対し,A, B, C と結合する平面が存在する.
(I.4b) 平面上に点が存在する.
(I.5) 1直線に含まれない3点 A, B, C に対し,A, B, C を含む平面はたかだか一つである.
(I.6) 平面 π に含まれる相異なる2点 A, B を含む直線に含まれる点は,平面 π に含まれる.
(I.7) 平面 π , π' に含まれる点が存在するとき, π , π' に含まれる点がもう一つ存在する.
(I.8) 1平面に含まれない4点が存在する.

定理 平面上に1直線上にない3点が存在する.

証明
平面 α に対し,(I.4b) より,α 上の点 A が存在する.
(I.7) より,α 上の A 以外の点 B が存在する.
(I.8) より,α 上にない点 C が存在する.
(I.6) より,A, B, C は1直線上にない.
(I.4a) より,A, B, C を含む平面 β が存在する.
(I.8) より,β 上にない点 D が存在する.
(I.6) より,A, C, D は1直線上にない.
(I.4a) より,A, C, D を含む平面 γ が存在する.
D との結合の違いにより,γ と β は異なる.
よって (I.5) より,γ は B を含まない.
よって (I.6) より,γ と直線 AB の共有する点は A のみである.
(I.7) より,α と γ に含まれる A 以外の点 E が存在する.
E は直線 AB 上にない.q.e.d.