Stern-Gerlach の実験
- Stern-Gerlach の実験 (1922) は電子の磁気モーメントの成分を測る.
- 銀原子を用いる.電荷は0.磁気モーメントは電子1個とほぼ等しい.
- 実験1
- 銀原子のビームを不均一な磁場の中に通す.
- e を長さ1の空間ベクトルとする.磁気モーメントの e 成分の値によってビームがいろいろに曲げられる.この装置を SG(e) とする.
- 結果:ビームは2つに分かれる.電子の磁気モーメントの e 成分 μe は +μ , -μ の2つの値しかとらない.
- 実験2
- 装置 SG(e) により2つに分かれたビームのうち μe = +μ に対応する方を装置 SG(e') に入射する.
- 結果:ビームは磁気モーメントの e' 成分 μe' = +μ , -μ に対応して2つに分かれる.
- 銀原子1つ1つに対して結果はランダムで,μe' = +μ , -μ のものがそれぞれ p , 1-p の確率で現れる.
- この実験は,巨視的には e 方向の磁気モーメント・ベクトルの e' 成分を測っている.
- より詳しい結果:e, e' のなす角を θ とすると,μe' の期待値 pμ - (1-p)μ は巨視的な値 μ cos θ に一致する.
- したがって,p = (1+cos θ)/2 = cos2 (θ/2).
- この θ/2 はどこの角か?