小林秀雄・岡潔「人間の建設」新潮文庫 (2011)

人間の建設 (新潮文庫)
岡潔の発言より

  • (対談の冒頭で小林が「今日は大文字の山焼きがあるそうですね.ここの家からも見えると言ってました.」とあたりさわりのない話題から入ろうとしたのに対して)私はああいう人為的なものには,あまり興味がありません.小林さん,山はやっぱり焼かないほうがいいですよ.
  • 人は極端になにかをやれば,必ず好きになるという性質をもっています.
  • 理論物理学者は,一つの仕事をすると,あとやらないのがむしろ原則ではないでしょうか.幾幕かの理論物理という劇で,個々の理論物理学者は一つのシーンを受け持っている.その後はもうやらない.(中略)数学者はそうではない.その人のなかに数学の全体というものをもっている.自分の分野はしまいまでやります.

なお,岡が連続体仮設の独立性についておかしな説明をしている.わざとなのかも知れないが.