勉強会

ツチヤさん,ナカイくんと.私は Lurie, "Higher Topos Theory" の第2回.前回につづき Appendix.その後ナカイくんが Ravenel の仕事の紹介.打ち上げは二子玉川「旬采」.

∞ 圏

  • 数学でもっとも基本的な概念は 集合 であろう.それは,「考えている対象の全体を考える」という方法である.しかし,集合の全体は集合にならない.思えばこれが,長い旅のはじまりだったのかも知れない.
  • では,集合の全体はどうとらえたらよいのだろうか? それを可能にするのが の概念である.集合の全体は圏をなすのである.
  • 圏の全体は2圏をなす.2圏の全体は3圏をなし,3圏の全体は4圏をなし,と続けていきたいわけだが,n 圏の定義を正確に述べることは,n が大きくなると複雑すぎて事実上不可能である.ましてや ∞ 圏などは.
  • そこで,よりやさしい問題を考える:「∞ 圏で,k+1 次以上の射が可逆なものを定義せよ.」これを (∞, k) 圏という.(∞,0) 圏を ∞ 亜群とよぶ.Lurie, "Higher Topos Theory" では,(∞, 1) 圏を単に ∞ 圏とよんでいる.

∞ 亜群

  • 位相空間 X に対し,X の点を対象とし,2点を結ぶ道のホモトピー類を射とする亜群が定義される.これを X の 基本亜群 という.
  • また,X の点を対象とし,2点を結ぶ道を1射とし,道の間のホモトピーホモトピー類を2射とする2亜群が定義される.これを X の基本2亜群とよぶ.
  • 同様に,X の基本 n 亜群,基本 ∞ 亜群が定義されてしかるべきである.というか,そうなるように,n 亜群,∞ 亜群を定義しなければならない.
  • これを逆手にとって,「∞ 亜群とは位相空間ホモトピー型のことである」と定義するという手が考えられる.