テンソル
量 が2つの量 に比例するとき,定数 があって, と書ける.この式を,「 が という1つの量に比例する」と見ることもできる.量 は,2つの量 に比例する量のうちもっとも基本的なものと言える.
この考察を, がベクトルである場合に一般化するとどうなるかを考えるとき,あらわれるのがテンソルの概念である.
ベクトル空間 に対し,双線型写像 が,「2つの量に比例する量」をベクトルに一般化した概念である.このとき,ベクトル空間 があって,双線型写像 は双線型写像 と線型写像 の合成になる. このようにして,双線型写像 は,線型写像 と1対1対応する.これは,ベクトル空間 が, に双線型写像 全体の集合に対応させる関手を表現しているということである.