集積点と可算コンパクト性

T1位相空間 X に対し,次の3つの条件は同値.
これらをみたすとき,X は可算コンパクトであると言う.
(1) 任意の点列は集積点をもつ
a\in X\{x_n\} の集積点 ⇔ a の任意の近傍 V に対し,x_n\in V となる n が無限に存在する)
(2) 任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつ
(3) 任意の可算部分集合は集積点をもつ
a\in XA\subset X の集積点 ⇔ a\in \overline{A-\{a\}}

証明
(1)⇒(2)
\{U_n\}_{n\in \mathbb{N}} を可算開被覆で,有限部分被覆をもたないものとする.
V_n=U_1\cup \cdots \cup U_n とおく.
可算選択公理により,x_n\in V_n^c をとる.
任意の点 a\in X に対し,a\in V_k となる k がある.
n\geq k ならば x_n\not\in V_k.
よって a\{x_n\} の集積点ではない.

(2)⇒(3)
A を集積点をもたない可算部分集合とする.
A閉集合
a\in A に対し,A-\{a\} の閉包の補集合を U_a とすると,
U_a は開集合で,U_a\cap A=\{a\}.
\{U_a\mid a\in A\}\cup \{A^c\} は可算開被覆で,有限部分被覆をもたない.

(3)⇒(1)
\{x_n\} を集積点をもたない点列とする.
A=\{x_n\mid n\in\mathbb{N}\} とおくと,これは可算.
任意の a\in X に対し,開近傍 U があって,x_n\in U となる n は有限個.
ゆえに U\cap (A-\{a\}) は有限集合.X はT1なので,これは閉集合
よって U-(A-\{a\})a を含み A-\{a\} と交わらない開集合.
したがって a\not\in \overline{A-\{a\}}.
すなわち aA の集積点ではない,//

  • \mathcal{O}=\{\phi,\mathbb{N}\}\cup \{U_n=\{1,2,\dots ,n\}\mid n\in \mathbb{N}\}\mathbb{N} 上の位相.T1ではない.

\{U_n=\{1,2,\dots ,n\}\mid n\in \mathbb{N}\} は有限部分被覆をもたない可算開被覆
\mathbb{N} の任意の空でない部分集合は,集積点をもつ.