血液型と婚姻型

レヴィストロースによると,部族社会では一人一人に婚姻型がきまっていて,結婚は同じ婚姻型どうしでなされた.同じ血液型で輸血するように.親子,異性のきょうだいは異なる婚姻型になっていて,近親婚が避けられている.同性のきょうだいは同じ婚姻型で,これがレビラート婚の根拠になっている.よくあるのは,MBD (Mother's Brother's Daughter) 婚(交叉いとこ婚).これはむしろ祖父母から見て DS = SD (Daughter's Son = Son's Daughter) 婚とよんだ方がわかりやすいと思うが,娘の息子と息子の娘が同じ婚姻型をもつ,という規則.
それはさておき,部族社会のメンバーは,自分が何らかの型に属している,ということを肌で感じながら人生を送っていたと思われる.部族社会的なものが消えつつある現代の日本において,血液型による性格の分類が受け入れられているのは,失われた婚姻型への郷愁のせいなのかもしれない.