朝ドラ 2003〜2009

  • 2003前 こころ
    • ネット掲示板上で朝ドラが批評されることが普通になったのはこの作品あたりからか.
    • オープニングのモノクロ写真が美しかった.
    • ヒロインが,亡き夫の遺した先妻の子2人を育てる話だったはずが,途中から子どもの世話はうなぎ屋の人たち任せになっていき,最後は玉木宏をゲットして終わるという結末に.
    • 平均視聴率は20%超え.中越典子の美貌の賜物か.その後20%超え作品は堀北真希の『梅ちゃん先生』までない.
    • ヒロインの母は伊藤蘭.『ちゅらさん』では田中好子がヒロインの母を演じた.
  • 2003後 てるてる家族
    • ミュージカル仕立てという新機軸.視聴率は低かったものの,傑作として名高い作品.
    • 工場長が生き別れた娘と再会するエピソードは泣けた.あの時代にはまだまだ身近に戦争によって辛い境遇に置かれた人たちがいたのだ,というリアリティー.
    • ヒロインの姉を演じた上野樹里は『スウィングガールズ』主演.
  • 2004前 天花
    • 朝ドラ史上最悪と言われる作品.その後の酷評されたどの作品も,「『天花』ほどではない」とよく言われる.
    • ヒロインは現役の上智大生.
  • 2006前 純情きらり
    • 平均視聴率が20%に迫る健闘.宮崎あおいの『篤姫』抜擢につながった.『天花』で離れた視聴者がようやくもどってきた.
    • 最初の方にちょっとだけ出てきた劇団ひとりが良かった.
    • ヒロインが結婚前なのに嫁いびりされていたのは不可解.それ以外にも突っ込みどころは多かった.
    • 相手役の福士誠治は『スウィングガールズ』出演.
    • 最後ヒロインが若くして亡くなる作品はこれだけ.
  • 2008前 瞳
    • 榮倉奈々をその高身長けから判断して,がさつなところのある男っぽい女の子に造形してしまったのは軽率だった.
    • 榮倉奈々満島ひかりはその後,主役を張る人気女優に.
  • 2008後 だんだん
    • 前半はおもしろかった.視聴率も少し盛り返した.
    • 後半,ヒロインの相手役の芸能プロの社員が実は医師だった,というのは無理があった.
    • 元ヒロインの石田ひかりがヒロインの母.
  • 2009前 つばさ
    • 怪作.視聴率はがくっと下がり,過去最低に.
    • ヒロイン多部未華子のその後の活躍から鑑みて,企画に問題があったとしか言いようがない.最初から視聴者に受け入れられることを諦めていたのかも知れない.
    • 中村梅雀小松政夫の無駄遣い.
    • イッセー尾形はつばさの分身なので,彼のことも歴代ヒロインの一人に数えるべきかもしれない.
    • 最後は冨士真奈美の悪役という古典的なスタイルで恰好をつけたが,それまでの前衛的な表現はどこに行ったのか.
    • 元ヒロインは手塚理美斉藤由貴が出演.
  • 2009後 ウェルかめ
    • 視聴率がさらに下がった.この作品のせいと言うより『つばさ』不評の余波だろう.
    • 東京・大阪などではなく,ヒロインが県内の地方都市に出て情報誌を作るという設定が新鮮だった.
    • ヒロインのライバル的な友人は多くの朝ドラに出てくるが,この作品では県内の地方都市の医学部に進む.『医学部』が存在している規模の地方都市,という特徴づけをしているわけで,細部まで考えられている.
    • 映像がきれいだったこの作品の中でも特に黒島編は美しく,登場人物もキャラが立っていた.
    • 数年を飛ばした間にヒロインに彼氏的な人ができていたというのも斬新だった.
    • 益岡徹が去るあたりまではおもしろかった.
    • 地方国立大学工学部の研究に光を当てた作品.
    • ヒロインの出産も時間を飛ばしてあっさり扱っていた.
    • 同じ徳島を舞台とした『なっちゃんの写真館』のヒロイン星野知子が出演.
    • 徳島出身の山下リオが出ているが,のちに彼女は『あまちゃん』でも徳島出身のアイドルの卵を演じている.
    • これが8時15分開始の最後の作品となった.
    • 最終的に地味な結末になったこともあって,『つばさ』で離れた視聴者を呼び戻すことはできず,結果的に朝ドラ最低視聴率の作品として名を遺すことになったが,良質な作品だった.
  • 総括
    • この時期,AKは美人女優をヒロインにして視聴率を取り,BKは視聴率にこだわらず佳作を遺した.